子どもの将来のために、小学校受験を検討される親御さんはいらっしゃるでしょう。
しかし、小学校受験が終わった後は授業料や課外活動費など入学前の多くの支出が予想されます。
そのため、どの程度の年収があれば小学校受験とその後の学費を無理なく支払えるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、小学校受験をする家庭の年収の目安や実際にかかる学費などについて詳しく説明します。
小学校受験を検討されている方で、ご家庭の年収について不安を感じている方はぜひ最後までご覧ください。
Contents
子どもに小学校受験をさせる家庭の年収の分布
初めに、子どもに私立の小学校受験をさせた家庭の年収の分布を紹介します。
一般的に小学校受験する家庭は年収1,000万円以上必要だといわれていますが、文部科学省による「平成30年度子供の学習費調査」では、年収分布は以下の通りになっています。
子供を私立小学校に通わせている家庭の年収
年収 | 割合 |
400万円未満 | 3% |
400~599万円 | 6% |
600~799万円 | 11.4% |
800~999万円 | 15% |
1,000~1,199万円 | 15.2% |
1,200万円以上 | 49.4% |
分布の割合としては1,200万円以上の年収を持つ家庭が49.4%と最も大きく、年収が下がっていくにつれ子どもが私立小学校に通っている家庭の割合も下がっていっています。
また、1,000万円以上の年収を持つ家庭が半数を超えていることも、私立小学校に通わせている家庭の分布の特徴だといえます。
小学校受験にかかる費用は?
私立小学校といえば、高額な費用がかかるイメージをお持ちの方もいらっしゃいますよね。
以下の記事では、どうして高額になってしまうのか、実際にかかる費用はもちろんその内訳もご紹介しています。
今後小学校受験をご検討の方は、是非ご覧ください。
小学校受験が終わった後にかかる費用は?
続いて、小学校受験が終わった後にかかる費用について説明します。
入学時と学年ごとにかかる学費に分けて紹介します。
私立小学校の入学時にかかる費用
私立小学校は入学時に学費以外にも多くの費用がかかります。
表にまとめたのでそれぞれ見ていきましょう。
私立小学校の入学時にかかる費用の目安
種類 | 費用 |
入学金 | 20~40万円 |
初年度の授業料 | 50~70万円 |
小学校内の設備費用 | 15~30万円 |
教材費 | 7~15万円 |
給食費 | 12~13万円 |
後援会(復興会)費 | 5,000円~20,000円 |
寄付金(1口あたり) | 10~30万円 |
上記以外にも、ランドセルや学校指定の制服代などの費用がかかる場合があります。
入学時には毎年かかる授業料等の費用に加え、入学金という大きな出費もあり最低でも100万円以上はかかるので、小学校受験を控えている方は注意しましょう。
私立小学校の学年別の学費
続いて、学年別でかかる私立小学校の学費の紹介をします。
文部科学省による「平成30年度子供の学習費調査」によると、具体的には以下の表のようになっています。
学年別でかかる私立小学校の学習費用
1年生 | 約190万円 |
2年生 | 約137万円 |
3年生 | 約142万円 |
4年生 | 約150万円 |
5年生 | 約163万円 |
6年生 | 約179万円 |
総額 | 約961万円 |
参考:https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_03.pdf
子どもに小学校受験をさせて、私立小学校に通わせると卒業までにかかる費用は総額で約961万円です。
1年間平均にしても毎年160万円ほどかかる計算になりますので、小学校受験を考える際は毎年の学費をきちんと用意できるのかを注意する必要があります。
学習費用に関しては、必要な教材の量や授業科目の幅が広がることから学年が上がるにつれて学費も高くなります。
しかし、1年生のときは入学金や寄付金などの学費以外の出費が多いので、学年別の費用を見ると1年生のときの費用が最も大きくなっています。
世帯年収に不安のある家庭が学費の負担を抑えるための手段
小学校受験から卒業までにかかる費用は900万円以上になるため、年収的に不安を覚える方もいるでしょう。
しかし、文部科学省や各自治体のサポートを受けることによってこれらの学費の負担を抑えられるようになります。
手段①文部科学省のサポートを受ける
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1つ目の手段は、文部科学省のサポートを受ける方法です。
文部科学省は、私立の小中学校に通う一部の条件を満たした児童生徒に対して経済的支援の実証事業を行っています。
下記にサポートの内容を表にまとめたので、見ていきましょう。
私立の小中学校に通う児童生徒に対して経済的支援の実証事業の内容
目的 | 義務教育課程において、公立ではなく私立の小中学校を選択して通っている理由や、家庭の経済状況などについての実態を把握するための調査 |
支援対象基準 | 世帯年収が400万円未満の私立の小学校・中学校・義務教育学校・中等教育学校・特別支援学校(小学部・中学部)に通う児童生徒がいる世帯 |
世帯年収が400万円未満かつ、保有資産額が600万円以下の世帯 | |
実施期間 | 平成29年度(2017年度)~令和3年度(2022年度)の5年間 |
支援内容 | 学校が年間10万円の支援を代理で受け取り、授業料が減額される |
注意点 | 文部科学省が決定した予算のなかで行われるので、このサポートを受ける基準に満たしていたとしても、予算を超えてしまったらもらえない可能性がある |
文部科学省が実施する調査に協力する必要がある |
この事業は、世帯年収が400万円未満の私立の小中学校に通う児童生徒に対して経済的支援をしつつ、私立学校に進学した背景の調査を目的としている実証事業です。
そのため、場合によってはこのサポートを受けられない可能性がある点には注意が必要です。
手段②就学援助制度
2つ目の手段は、就学援助制度を利用するという方法です。
就学援助とは、義務教育期間である小中学生がいる家庭で経済状況が厳しい場合に学校生活に必要な費用を支援してもらえる制度です。
この制度は自治体単位で実施されており、支援内容もどこの自治体で受けるかによって異なります。
本記事では新宿区の就学援助制度を例に、説明します。
新宿区の就学援助制度の内容(2021年12月現在)
支援対象者 | 現在生活保護を受けている方 |
令和2年4月から現在までに生活保護を停止又は廃止された方で、引き続き支援を必要とする方 | |
経済的理由により学校にかかる費用の支払いにお困りの方で、令和2年分の世帯全員の所得の合計が基準額以下の方 | |
失業やコロナの影響などによって、著しく所得が減少した方 | |
援助内容 |
給食費 |
学用品費 | |
新入学学用品費 | |
クラブ活動費 | |
校外学習費(社会科見学・遠足) | |
移動教室参加費 | |
夏季施設参加費 | |
修学旅行参加費 | |
卒業アルバム日 | |
通学費(特別支援学級のみ、距離要件あり) | |
英語キャンプ費(新宿区立学校在籍の方のみ) | |
医療費(学校で治療指示のあった学校保健安全法で定められた疾病治療のみ) |
支援対象者の所得基準額は、新宿区のHPで記載されているので気になった方は確認しましょう
上記のような幅広い経済的支援を受けられるので、小学校受験を検討しているが年収に不安のある方はぜひ活用してみてください
小学校受験で1年間あたりの学費が高い小学校TOP6
最後に、小学校受験で受ける私立小学校の中で年間の授業料が高い学校を紹介します。
具体的には以下のような順位になっています。
全国の私立小学校の年間授業料ランキングTOP6
- 慶應義塾幼稚舎(東京):94万円
- 慶應義塾横浜初等部(神奈川):94万円
- 関西大学初等部(大阪):80万円
- 同志社小学校(京都):80万円
- 立命館小学校(京都):80万円
- 関西学院初等部(大阪):80万円
上記の私立小学校の共通点として、有名大学までエスカレーター式で進学できるということがあります。
費用がかかっても有名大学にそのまま進学させたいかたは、受験を検討されてみてはいかがでしょうか。
小学校受験をする家庭の年収は1,000万円を超えているところが多い
いかがでしたでしょうか。
小学校受験をする家庭の65%以上が年収1,000万円を超えていますが、必ずしもその水準の年収が必要なわけではありません。
国や自治体の援助をうまく利用することで、年収が高くない家庭でも学費を抑えられます。
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