小学校受験の願書における志望理由の書き方と例文

小学校受験では、当日の面接や試験の対策も重要ですが、忘れてはならないのが願書の用意です。
しかし、初めて小学校受験を経験されるご家庭などでは特に、具体的にどう書けばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、小学校受験の願書の書き方を例文と一緒に紹介します!
お子さまのお受験を控えているママさん・パパさんの参考となれば幸いです。

小学校受験における願書の重要性

小学校受験の願書は、学校側に受験家庭の様子を伝えるという非常に重要な役割があります。
また、実際の試験の際は願書の内容をもとに面接が進められるため、願書の段階でしっかりと受験校に対する熱意をアピールしておくことが大切です。

小学校受験の願書で書く項目

小学校受験の願書で必要な項目は主に4種類あります。
受験校ごとに多少内容の違いはありますが、これから紹介する4つの項目は基本的にどの小学校でも共通しているので、押さえておきましょう。

項目①受験家庭についての情報

受験者であるお子さまや、そのご両親についての情報を書く欄があります。
具体的には、このような内容を聞かれることがあります。

受験家庭について願書に書く具体的な内容

  • お名前
  • 生年月日
  • 現住所
  • 病歴
  • 幼稚園名
  • 通学経路

など……

この部分は基本的な情報になるので、間違いのないように書きましょう。

項目②教育方針

後に詳しく説明しますが、小学校受験において家庭での教育方針は志望理由を伝えるうえで大切な要素となります。
普段、お子さまを教育されるうえではどんなことを大切にしているか。また、将来どんな大人に育ってほしいかを明確にしましょう。

もし、これまで教育方針についてあまり意識していなかったという場合は、願書の作成に取り掛かる前に一度ご家庭で話し合いましょう。

項目③お子さまの紹介

小学校受験の願書には、お子さまの性格や、具体的なエピソードを紹介する欄もあります。
改めて文章で書こうとすると、どのように書けばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

お子さまの性格が表れるできごとは、日々の何気ない場面で出てくることもあります。
そのため、お子さまの様子をよく観察し、何か気づいたことや成長が感じられるようなできごとがあったときにはメモしておくと願書を作成する際に役立ちます。

項目④志望理由

最後に、小学校受験の願書で最も重要な項目ともいえる志望理由をまとめましょう。

小学校受験の志望理由では、先ほど紹介した「教育方針」や「お子さまの様子」を取り入れることをおすすめします。

志望校の教育方針を理解したうえで、「家庭での教育方針のこの部分と合う」「わが子のこういった長所を貴校での生活を通して伸ばしていきたい」といったアピールをすると具体的な志望理由がまとまります。

小学校受験の志望理由を明確にするには?

小学校受験の志望理由を明確にするには、私立小学校に行く目的が何であるかを決めることが大切です。
そのために、小学校受験のメリットをしっかり理解することをおすすめします。
小学校受験のメリットにはどんなものがあるのかを理解したい方は下記記事をご一読ください。
小学校受験の具体的な内容と受験するメリット・デメリット

教育方針の書き方と例文

小学校受験の願書において、ご家庭の教育方針を書く際は、「どんな子に育ってほしいか、そのために普段どのような教育を行っているか」ということを明確にしましょう。

また、志望校の教育理念に沿った内容にすることをおすすめします。
「わが家ではこのような教育を行っており、貴校の○○という理念と一致すると感じたため、貴校への入学を希望します」といったように、ご家庭の方針と志望校の教育理念が一致していると志望理由に説得力が増すためです。
この点については、後ほど「志望理由の書き方と例文」の項目にて詳しく解説します。

そして、具体的なエピソードを交えた文章にすることもぜひ意識していただきたいポイントです。
いくら理想とする教育方針が志望校の理念と合っていても、理想を実現するための教育をご家庭で行っていないと判断されてしまうと適切なアプローチができません。

教育方針という目的を達成するために、ご家庭では具体的にどのような接し方を心がけているか。そして、具体的にどのような形でお子さまに成長がみられたのかというエピソードを盛り込みましょう。

教育方針の例文

上記で紹介した内容をふまえて、小学校受験の願書で「教育方針」の項目に書く内容の例文を見てみましょう。

人間関係を築く第一歩である挨拶をしっかりとできる子に育ってほしいと思っています。もともと引っ込み思案な子なので、まずは家庭での基本的な挨拶を徹底しています。家庭での挨拶はできるようになったので、今はご近所のかたにも挨拶できるよう声をかけています。
引用元:ベネッセ 教育情報サイト

この例文では、「人間関係」そして「挨拶」が重要なワードとして登場します。
志望校で積極性や人間関係を重視した教育を行っている場合などに適切でしょう。

先ほど紹介したように、具体的なエピソードを交えているというところがポイントです。
家庭や近所での挨拶ができるように声をかけているという、具体的な教育内容がわかります。
また、家庭内教育の結果、もともと引っ込み思案だったお子さんでも家庭内では挨拶ができるようになったという成長も伝わってきます。

志望理由の書き方と例文

小学校受験において、志望理由は特に力を入れたい部分です。
「なぜ他の学校ではなくその学校に入りたいのか」という熱意を伝えることができれば、小学校側から良い印象を持ってもらえることでしょう。

担当者に伝わりやすい志望理由を書くには、「三段論法」という文章の構成を意識することをおすすめします。

三段論法とは、一般的な事実を述べる「大前提」のあとに具体的な事実となる「小前提」を述べ、最後に2つの前提をもとにした「結論」をまとめるという方法です。

志望理由の例文

上記で紹介した内容をふまえて、小学校受験の願書における「志望理由」の例文を見てみましょう。

今、子どもは自然科学的な事柄に大変興味をもっており、親子で○○の博物館へ行ったり、簡単なキットを使った実験をしてみたりと体験的な教育を心がけております。これを親子で心から楽しむことができることを嬉しく思っております。

第三回立命教育フォーラムの折に、○○先生が「目先の学歴に捉われず、どんな人間になって欲しいかをまず考えて欲しい」といわれたお話が大変心にのこりました。

本来の学ぶという姿勢、学ぶ楽しさを知り、そしてそれを原点として知識を獲得し、人生に根を張って生きて欲しいと私どもは考えております。これは立命館での教育でしか得られないのではないかと思っております。
(中略)
新しい今までにない魅力的な学校で小学校生活を送らせてやりたいと考え、貴校を志願いたしました。

引用元:蔵書房 小学校受験 願書の書き方 志望理由

こちらの例文では、先ほど紹介した三段論法が使われています。
まず、ご家庭でのお子さまの様子や教育方針について語っており、その後、志望校の理念とどこが共通していると感じたのかをまとめています。
最後に、保護者が求めている教育を行っているのは志望校だけだと結論づけ、「だから貴校に入学したい」とまとめているため、情報が整理されていてわかりやすい文章です。

また、上記の例文では、志望校で行われた講演会でのエピソードを交えているという点も重要です。
自主的に志望校の講演に足を運び、情報を集めていることがわかるため、「志望校に対してどれだけ熱意をもっているのか」が伝わります。

小学校受験の願書を書くときに失敗しないためのポイント

教育方針や志望理由について具体的な書き方や例文を紹介しました。
上記で紹介した以外にも、特定の設問にかかわらず小学校受験の願書を書く際は全体的に意識したいポイントがあります。

1つずつ見ていきましょう。

ポイント①願書のコピーをとって下書きをする

いきなり願書を書き始めるのではなく、まずはコピーを何枚かとって下書きをして練習をしましょう。

願書で書く文章は、しっかりと練り上げて自信のある内容をまとめることが望ましいです。
いきなり本番用の用紙に書くと、思わぬミスが出てしまうことも考えられます。
ある程度下書きを重ねて、文章のボリュームや内容に過不足がないか確認しながら調整をしましょう。

ポイント②丁寧で読みやすい字を心がける

読み手となる先生方にできるだけ良い印象を与えるため、丁寧な字で文章を書くことも大切です。
志望理由や教育方針が素晴らしいものであっても、もし字が汚ければ、悪い印象を与えてしまう可能性があります。
そのため、ご家族の中でも字がきれいな方に願書を書かれることをおすすめします。

また、字の大きさも大切なポイントです。
小さすぎず、読みやすい大きさを意識して書きましょう。
熱意を伝えたいがために、小さな字でびっしりと書いてしまうと、読みづらくなるためかえって逆効果となってしまうことがあります。

ポイント③主語・述語がはっきりした文章を書く

文章を書くうえでの基本的なポイントですが、主語(誰が・何が)と述語(どうした)をはっきりとさせるようにしましょう。

特に、小学校受験の願書で書く内容はお子さまのことやご家族での教育など、パパさん・ママさん自身に直接関係する内容が多いです。
自分ではわざわざ「夫が」「子どもが」と言うまでもなくわかっているため、無意識につい主語を省略してしまうことがあります。

ご家族のことを初めて知る先生方が読んでも、「誰が・どうなったという話なのか」がスムーズに頭に入るように、主語と述語がはっきりした文章を意識しましょう。

ポイント④一文一文は簡潔にまとめる

句点(「。」)から句点までの範囲を「一文」といいます。
わかりやすい文章を書くためには、一文一文を簡潔に、できるだけ短くまとめるよう意識することも大切です。

一文を簡潔にまとめるためには、以下で紹介する2点を意識しましょう。

一文につき主語・述語のセットは一組

基本的に、一文につき主語・述語は一組にしましょう。
一文のなかにたくさんの言葉があると、結局何が言いたいのか、この話の主役は誰なのかがわかりづらくなってしまいます。

余計な言葉でかさ増しをしない

必要最低限の言葉のみを使って、シンプルにまとめるということも大切です。

あまり文章を書き慣れていない方などは、一文が短いと不安な気持ちになって余計な言葉を前後に付け足してしまうことがあります。
また、文字数が足りない場合なども同様に、言葉を足して文章のかさ増しをしてしまいがちです。
しかし、余計な言葉があると、やはり何が言いたい文章なのかがあいまいになることが考えられます。

ポイント⑤願書全体で文体を統一させる

願書のなかで、複数の文体が混ざってしまうことのないよう、文体を統一させましょう。

文体とは、文章内での言葉遣いのスタイルのことです。
「~だ・~である」といった“常体”、そして「~です・~ます」といった“敬体”の二種類があります。

願書に限らず、同じ文章や書類のなかで文体を統一させるというのは基本です。
そのうえで、小学校受験の願書のような応募書類の場合はより丁寧さを感じさせるために敬体を使うようにしましょう。

ポイント⑥適切な言葉を使って文章を書く

文中で使う言葉の選び方にも注意しましょう。
日本語の言葉は、同じ意味でもさまざまな表現があります。
言葉の選び方によっては失礼な印象を与えることや、意味が伝わりづらくなることもあります。

たとえば、小学校受験の願書では以下のような言葉の使用は避けたほうがよいでしょう。

小学校受験の願書で避けたい言葉

  • くだけた言い回し
  • 難しすぎる表現
  • 特定の分野の専門用語
  • 口語(話し言葉)
  • 流行語

小学校受験の願書はしっかりと時間をかけて準備しよう

いかがでしたか?
小学校受験においてとても重要な志望理由をはじめとする願書の書き方を紹介しました。

小学校受験の願書は、保護者がしっかりと準備をして、クオリティの高い内容に仕上げることが大切だとおわかりいただけたかと思います。
なかなか簡単に書き上げられるものではないため、本記事で紹介した内容を参考に、入念に準備をしましょう。

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