評価や対策のポイントは?絵の試験がある小学校受験

小学校受験の絵画試験について、どうやって対策すればよいかとお悩みの親御さんは多いことでしょう。そこで、そういう親御さんのために、小学校受験における一般的な絵画試験の内容について、また、どのような対策が効果的なのかについて詳しくお伝えします。

絵画試験の内容

学校によって詳細は異なりますが、絵画試験の内容は、以下のようにおもに3つのパターンが考えられます。

ふだんの生活や思い出の絵

ふだん遊んでいる様子や、家族旅行の思い出など、幼稚園児の一般的なお絵かきのようなテーマで絵を描かせる学校は多いです。絵を描くのが好きな子どもなら、これまでにも描いてきたテーマではないでしょうか。ただ、受験においては、押さえておきたいポイントがあります。

とくに大切なのが、家族や友だちを一緒に描くことです。たとえば、日常の様子を知るために、家族で一緒にご飯を食べている様子を描かせる学校があります。こういうテーマでも大切なのは、家族一緒に食べている絵です。いくら丁寧に描いていても、ご飯やおかずしか描かれていなければ高評価は期待できないでしょう。学校側は、子どもの絵を通じて家庭環境や人間関係などを知りたいはずだからです。

子どもの想像力を問う絵

写実的な絵ではなく、子どもの想像力で自由に絵を描かせる出題もあります。「魔法が使えるとしたら?」や「どこでもドアでどこにでも行けるとしたら?」といった現実にはないお題です。

この種の出題では、子どもの想像力、発想力が見られるポイントとなります。どんなことに興味を感じるのか、子どもの個性や好奇心がわかるので、最近の小学校受験で増えているテーマです。

共同絵画

もう一つのパターンが共同絵画といって、複数の子どもでグループを作り、全員協力して一つの絵を完成させるという出題です。たとえば、空っぽの動物園を舞台に、その中にみんなで相談して動物を描くといったテーマがあります。

テーマはさまざまですが、大切なのは子どもたちがそれぞれ勝手に好きな絵を描くのではなく、みんなで相談しながら協力して一つの絵を完成させようとする姿です。絵の試験というより、集団生活ができる子どもなのかどうかを見るための行動観察のテストと言えるでしょう。

絵画試験対策のポイント

絵画試験で描く絵はさまざまですから、どんなふうに対策をすればよいのかわからない方もいるでしょう。そこで、どんなテーマの絵を描く場合にも共通する対策のポイントをお伝えします。

絵画のネタを増やす

まず、子どもがいろいろな絵を描けるようにすることが大切です。そのためには、最初から「こんな絵を描きましょう」などと指導する必要はなく、クレヨンや色鉛筆を持たせて好きなように描かせましょう。子どもが「もっと描きたい」という気持ちになれるように、親御さんは子どもが描いた絵を褒めてあげ、「これは誰?」、「何をしているところ?」など質問をたくさんしてあげるのもおすすめです。

ただし、一人で描かせていると同じような絵ばかりになってしまうこともあります。そのような時は積極的に描くネタを増やしていきましょう。難しいことではありません。家族そろって遊びに行くだけでも、それが絵のネタになります。お子さんが思いつかないようなら、「この前、みんなで一緒に◯◯に行ったよね?」と促せば、お子さんも楽しい記憶を思い出し、楽しく描くことを学んでいくでしょう。

人や動物をかけるようにする

絵画のネタを増やすのと同時に気をつけたいのが、自分一人だけでなくいろいろな人や動物も描けるようにすることです。

人を描く練習は、鏡で自分の顔を描くところから始めるとよいでしょう。目、鼻、口など顔のパーツがどうなっているのか確かめる勉強にもなります。自分の顔が描けるようになったら、顔以外、首や肩、そして、全身を描けるようにしていきます。

それから、自分以外の人も登場させます。最初は自分とお母さんの二人だけだったのが、徐々にほかの家族や友だちも加え、やがて1枚の絵に複数の人を描けるようにするのです。登場人物が増えると、背の高さや体の大きさで区別を付けたり、一人一人の配置のバランスも考えなければなりません。この練習が絵の幅を広げます。

人だけでなく動物も描けるようにしましょう。最初は、キリンやゾウなど、見てそれとわかる特徴的な動物から始めるのがおすすめです。

背景を描けるようにする

公園や森の中など絵の背景も描けるようにしましょう。いきなり細部まで描くことは難しいので、背景を伝える大きな要素から始めていくのがおすすめです。たとえば、地平線を描くだけでも状況が伝わりやすくなります。

さまざまな向き・行動を描けるようにする

小さな子どもの描く絵は、登場人物がみんな正面を向いている絵が多いです。ひとりの人間を描くのにも、いろんな向きで描けるようになると絵の表現が広がります。家族でご飯を食べている様子なら、食卓を横から見た時、自分の視点で見た時など視点を工夫するという具合です。

また、日常のいろいろな行動を描けるようにします。歩く、走る、ジャンプする、ブランコを漕ぐなどふだんの遊びが絵の材料になります。お子さんが思いつかない時は、親御さんがヒントを与えてあげましょう。

想像力を問われるテーマを描く

先にも述べたように、最近の絵画試験では、子どもの想像力を問うようなテーマがよく出題されます。こういう絵はいきなり描こうとしても難しいので、日ごろから練習しておきましょう。見えるものだけでなく、子どもの想像や夢の世界を自由に描かせるのです。

また、単に非現実的な絵を描くだけで終わりにしないことも大切です。そこにどんな思いが込められているのか、子ども自身が説明できるようにしておきましょう。それには、親御さんの協力が欠かせません。子どもが描いた絵を見ながら、「これは何?」「どんなもの?」「どうして?」と聞いてあげるだけでも力になります。

「絵画」試験がある学校

絵画試験のある小学校は多いです。首都圏の有名校なら、早稲田実業学校初等部、慶應義塾幼稚舎、青山学院初等部などで出題された過去があります。また、私立小学校だけでなく、筑波大学附属小学校など国立でも時々あるので注意です。

小学校受験のために絵画教室に通う必要はある?

絵の苦手な子、嫌いな子を持つ親御さんなら、「絵画教室に通って練習した方がいいのかな?」と思うのではないでしょうか。お子さんが通いたがっているのならもちろんかまいませんが、そうでないのに無理に通わせる必要はありません。

そもそも小学校受験での絵画試験とは、画力を評価するためというより、子どもの想像力や家庭環境を見たり、行動観察のために行われるものです。美術系の学校ならともかく、一般的な小学校の場合、技術的な部分で合否が大きく左右されることはないでしょう。それより、子どもが本心から楽しく描いていることが大切です。

とはいえ、5~6歳児ならその年齢相応の絵は描けるようにしておきたいところです。それには、やはり日ごろからいろいろな絵をたくさん描くしかありません。

注意したいのが、親が子どもに指示して絵を描かせようとしてはいけないということです。受験対策として、子どもに試験官受けするような絵の練習をさせる親御さんもいますが、親が子どもに描かせているかどうかは絵を見ればわかってしまいます。小学校受験では、絵の上手さそのものより、子どもの自由な発想を重視していることを覚えておきましょう。

小学校受験の絵画試験で大切なこと

小学校受験の絵画試験で大切なのは、子どもの個性や発想力を絵に発揮できるようにサポートしてあげることです。高い画力は必要ありませんが、いろいろ描きながら描くネタや表現力を広げていけるように指導してあげましょう。そのためには、できるだけ多く描いて褒めてあげるとが大切です。

小学校受験情報教育ラボでは、小学校受験に関してのさまざまな情報を発信しています。今回のように絵画試験など試験内容のことだけでなく、小学校受験のためのおすすめの塾の紹介などもあります。受験のための情報を集めている方のご参考になれば幸いです。

 

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