小学校受験の際は面接だけではなく行動観察が実施されますが
「行動観察ってそもそもどういう試験なの?」
「どのようなポイントが行動観察では見られているのだろうか?」
と、疑問に感じている方も少なくありません。
そこで本記事では、小学校受験の際に行われる行動観察の内容や効果的な対策法などを紹介します。
小学校受験の際に実施される行動観察の知識を深めておきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
小学校受験における行動観察とは
行動観察とは、複数人の子どもたちを自由に遊ばせて、その様子から運動能力や思考力、協調性などを判断される実技試験のことです。
実技試験と聞くと難しいものを連想される方もいらっしゃるかもしれませんが、行動観察の課題や内容はそこまで難しいものではありません。
しかし、行動観察の具体的な内容や重視されているポイントは小学校ごとに異なります。
そのため、事前にどのようなことが行われているのかを確認しておくことで対策がしやすくなります。
行動観察の際によく行われている4つの例とチェックされるポイント
小学校受験の行動観察では、どのような運動やゲームが行われているのでしょうか。
多くの小学校で取り入れられている行動観察の一例には、以下のようなものがあります。
行動観察の例①おもちゃや遊具を使って遊ぶ課題
1つ目は、室内のおもちゃや外に設置してある遊具を使って遊ぶという課題です。
おもちゃや遊具を使って遊ぶ課題では、以下のようなポイントがチェックされています。
おもちゃや遊具を使って遊ぶ課題でチェックされるポイント
- 他の子どもに積極的に声をかけて遊びに誘っているか
- 遊びに誘う際にどのような誘い方をしているか
- 遊びに誘われたときにどのように応じているか
- 他の子どもに対して嫌がらせや邪魔をしていないか
- 孤立していないか
- おもちゃや遊具を使う順番を守っているか
- おもちゃや遊具を不適切に使っていないか
上記のように、おもちゃや遊具を使って遊ぶ課題では、子どもの協調性や家庭のしつけがチェックされています。
この課題では、明るく誰にでも声をかける子どもやルールをしっかり守ることができる子どもが評価されやすい傾向にあります。
「周りの子どもたち積極的に声をかけて仲間外れを作らない」
「おもちゃを乱暴な使い方をしない」
といった行動を取ることで、試験官に好印象を与えられます。
行動観察の例②チームで協力して行う課題
2つ目は、チームで協力できるかどうかを確認する課題です。
3~6人ほどのチームに分かれ、チームで協力して与えられた課題に取り組むものになっています。
チームで協力する課題の主な内容には、以下のようなものがあります。
チームで協力する課題の主な内容
- 積み木を高く積み上げる
- 紙コップで建物を作る
- 大きな1枚の模造紙に与えられたテーマの絵を描く
チームで協力する課題では、
「自分勝手な行動をしていないか」
「自分の意見を伝えているか」
などのポイントから、子どもの協調性や思考力がチェックされています。
この課題では、周りと協力して課題に取り組む子どもが評価されやすい傾向にあります。
「周りの子どもと話し合いながら課題に取り組む」
「課題を進めやすくするために、自分の意見をしっかり伝える」
といった行動を取ることで、試験官に好印象を与えられます。
行動観察の例③勝敗がある課題
3つ目は、勝敗がある課題です。
1対1で行われるものからチームに分かれて集団で行われるものまであり、屋内・屋外の両方で実施されることがあります。
勝敗がある課題の主な内容には、以下のようなものがあります。
勝敗がある課題の主な内容
- じゃんけんゲーム
- 玉入れ
- リレー
勝敗がある課題では、
「勝ったとき・負けたときにどのような反応をするか」
「勝負のルールを素早く理解できているか」
などのポイントから、子どもの性格や気持ちの切り替えや思考力がチェックされています。
なお、勝敗がある課題では、勝負に勝ったから評価される、勝負に負けたから評価が下がるというわけではありません。
あくまでも、勝負に勝ったとき・負けたときの反応が見られているので、
「勝ったときに嬉しそうに喜んでいる」
「負けたときでも態度や性格が変わらない」
といった行動を取ることで、試験官に好印象を与えられます。
行動観察の例④試験官の動きや声を真似する課題
4つ目は、試験官の真似をする課題です。
試験官の動きや声などをお手本にして、子ども達が真似をする課題になっています。
試験官の真似をする課題の主な内容には、以下のようなものがあります。
試験官の真似・模倣をする課題の主な内容
- 動物や鳥の動き・鳴き声
- バランスを取るポーズ
- ダンスの動き
試験官の真似をする課題では、
「ポーズや動きの真似がきちんとできているか」
「恥ずかしがらずに課題に取り組んでいるか」
などのポイントから、子どもの運動能力や表現力がチェックされています。
身体能力や課題に真面目に取り組む姿勢などが見られているので、
「試験官のポーズや声をしっかり真似する」
「試験官の指示にしたがって恥ずかしがらずに課題に取り組む」
といった行動を取ることで、試験官に好印象を与えられます。
小学校受験の行動観察で高く評価される子どもの共通点
行動観察中の子どもの行動や発言から、試験官は子どもの性格や能力を判断しますが、どのような子どもが試験官によい印象を持たれるのでしょうか。
小学校受験の行動観察の際に、高く評価される子どもには以下のような共通点があります。
行動観察で評価される子どもの共通点
- 感性が豊かで思いやりがある
- チャレンジ精神がある
- 自立心がある
- 想像力がある
- 高い集中力がある
- 高い注意力がある
- 思考力・理解力が高い
- 協調性・社会性がある
- 情緒が安定している
- 健康体である
上記を参考にすると、積極的に他の子どもに声をかける思いやりのある子どもや、言われたことをしっかり守って行動できる規律性のある子どもは好印象を与えやすいようです。
小学校受験の行動観察を乗り切るための対策法
ここまで、小学校受験の行動観察で行われることや、どのような部分がチェックされるのかをお伝えしました。
それでは、行動観察の本番で上手に乗り切るためには、子どもにどのような対策や練習をさせておけばよいのでしょうか。
行動観察を乗り切るための具体的な対策法には、以下のようなものがあります。
対策法①多くの子どもと接して会話をさせる
1つ目の対策法は、多くの子どもと接してたくさん会話をさせることです。
行動観察では、他の子どもとスムーズに会話ができる子どもや、積極的に声をかける子どもが高く評価される傾向にあります。
そのため、多くの子どもと接して多くの会話をさせることで、行動観察の際にスムーズに会話ができるようになります。
公園や習い事など、子ども同士が話せる場所はさまざまですが、まずは多くの場所で多くの子どもと話す経験をさせるようにしましょう。
対策法②家庭内でルールを決める
2つ目の対策法は、家庭内でルールを決めることです。
行動観察では、決められたルールを守ることや試験官の指示をしっかり聞くことが重視されています。
そのため、普段から家庭内で「守らなければいけないこと」「してはいけないこと」といったルールを決めておくことで、行動観察の際にもルールを守れるようになることでしょう。
「食事の際はいただきます・ごちそうさまをしっかり言う」「朝起きたら、挨拶をちゃんとする」といった、子どものしつけも兼ねたルールを設定することをおすすめします。
また、ルールをちゃんと守った場合はしっかり褒めて、ルールを守らなかった場合は厳しく叱らずに優しく諭すようにしましょう。
対策法③子どもに道徳やマナーを教える
3つ目の対策法は、子どもに道徳やマナーをしっかり教えることです。
行動観察では、人が嫌がることをすることや乱暴な言葉を使うこと、また喧嘩に発展するようなことがあると試験官に悪い印象を与えてしまいます。
子どもは物事の分別がついていないので、人が傷つくことを言ってしまうことや、感情がコントロールできないことから言い争いに発展してしまうことがあります。
そのため、道徳やマナーをしっかり教えることで、思いやりの心を育むことが大切です。
ただし、子どもに道徳やマナーを理解してもらうためには、こちらから一方的に伝えることは避けたほうがよいでしょう。
「〇〇って言っちゃだめ」と伝えるのではなく、「〇〇って言ったら、お友達はどんな気持ちになるかな?」と諭して、子どもが理由を考えられる言い方をすることをおすすめします。
行動観察での適切な服装とは
試験では身体を使った遊びや運動をすることが多いため、動きやすい服装は必須となってきます。
しかし、ただ動きやすければいいというわけではありません。
カジュアルすぎる格好にしてしまうと場をわきまえた服を着られないと判断される可能性もあるのです。
そこで、こちらの記事では行動観察で適切な服装を紹介しています。
今後、小学校受験を控えていらっしゃるご家庭は、必ずチェックしておきましょう。
小学校受験の行動観察では子どもの積極性や協調性が見られる
いかがでしたでしょうか。
行動観察の内容は小学校ごとに異なりますが、集団で自由に遊ぶことや勝ち負けのある勝負、試験官の真似をする課題などが一般的です。
また、行動観察では、積極的に他の子どもに声をかける思いやりのある子どもや、試験官に言われたことをしっかり守って行動できる子どもが高く評価されやすい傾向にあります。
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