家庭教師は必要?小学校受験の内容や進め方

中学や高校の受験と比べると、小学校受験はかなり勝手が違います。中学、高校、大学の受験の場合、生徒自身の努力で合格を勝ち取ることができますが、小学校受験の場合、子ども自身の努力だけでは難しいのです。それに、そもそも受験内容が中学以降の受験と大きく異なるため、「受験勉強」といったわかりやすい対策が取りにくいことにも注意しなければなりません。

小学校受験は経験がないとどんなものかわかりにくいものです。ですので、初めて小学校受験に臨むご両親にとっては、ノウハウもわからずどうやって対策を立てればよいかさえわからないでしょう。

そこで、頼りになるのが受験の内容や合格へ至るノウハウを熟知している家庭教師の存在です。ここでは、「お子さんの合格のためなら力を惜しまない」というご両親のために、小学校受験について、その進め方や内容、家庭教師の必要性やその選び方まで詳しくお伝えします。

小学校受験の進め方

小学校受験は、中学や高校の受験と大きく違います。小学校受験の経験はないものの、ご自身は中学受験の経験があるご両親の場合、そのご自分の経験をもとに小学校受験についても考える傾向がありますが、その考え方ではなかなかうまくいかないものです。まず、小学校受験は中学以降の受験とは別物で、かなり特殊な形の受験であることを知っておきましょう。

受験スケジュールの把握

具体的な対策を始める前に、小学校受験のスケジュールを知っておくことが大切です。ただ、受験スケジュールは地域によって異なりますので、詳しくは志望する学校で直接確かめた方がよいでしょう。

首都圏の小学校の場合、5月ごろに学校説明会があります。受験を希望する学校の説明会には必ず出席するようにしましょう。小学校受験といえども情報戦です。なるべく多くの情報を早めに収集することが、合格への近道になります。

また、小学校受験の場合、単に情報収集のためというより、説明会への出席自体が受験資格の一つとなっている学校もあります。そういう学校では、説明会にもきちんと申し込まないと出席できないので注意が必要です。「当日直接行けば話が聞けるだろうと思って行ったところ、事前予約がないと参加できないと断られた」というケースもあります。受験したい学校が決まったら、早めに学校について調べて日程を把握し、説明会を逃さないようにしましょう。

説明会後のスケジュールは、7~9月に願書の配布、実際の試験が10月以降に始まります。詳しくは、私立小学校が10月、国立小学校が11月です。私立の場合、12月に二次以降の募集があるところもあります。

受験前の大切なこと

実際に受験をするには、学校に願書を提出しなければなりません。一般的に小学校受験を希望する家庭は、第一志望だけでなく、第二、第三と複数の学校に出願するものです。となると、受験したい学校の数に合わせて必要書類等の数も増えることに注意しましょう。

願書が受験のために絶対必要なものだということはみなさんよく理解されているはずですが、提出書類の数が増えるとどうしても不備が出やすくなるものです。たとえば、願書に欠かせない証明写真ですが、気がつくと必要な数が足りず直前になって慌てることなどはよくあります。そういうことのないように、出願までに十分な余裕を持って準備を進めていきましょう。

もう一つ、忘れてはならない大切なことがお子さんの健康管理です。どんなに準備万端であっても、受験当日に体調を崩しては試験を受けることすらできなくなってしまいます。もちろん一緒に参加するご両親も同様です。本番で持てる力をすべて発揮できるよう、体調管理にはくれぐれも注意してください。

このように、準備を万端に整えて受験に臨んでも、それでも不合格になることが珍しくないのが小学校受験です。そこが、中学以降の受験と大きく違うところではないでしょうか。合格安全圏の学校など存在しないとも言われることがあります。ですので、親子そろってどんなに頑張っていたとしても、希望する小学校に入学できないことがあることも心のどこかで覚悟しておくべきでしょう。

少なくとも親御さんは、「小学校受験に絶対はない」と理解しておく必要があります。不合格だからといって、ご自身の教育やお子さんの頑張りが不十分だったと考えるのは誤りです。「受験なんて水物」と気楽に捉えることも大切ではないでしょうか。

もしもの時は、今までの努力は無駄ではないこと、次の機会にきっと役立つことを、お子さんにも優しく教え諭してあげられるのが理想ではないでしょうか。

小学校受験の内容

小学校受験ではさまざまな能力や技能が問われます。そのため、ペーパーテストだけで測定できるものではなく、試験内容も多岐にわたることを知っておく必要があります。

たとえば、勉強と同じく、運動も重要です。ボール投げやケンケンパーなどやることは学校によって違いますが、運動で身体能力を測定することはどこの小学校でも行われることです。

また、手先がどの程度器用であるかを測る目的で、図画工作的な試験が課される学校もあります。材料を用意されて、それを先生が示すお手本とそっくりに工作するような内容があります。絵画の試験がある学校もありますが、絵の上手な子が合格という単純なものではありません。写実性よりも発想力が重視されるなど、学校によってその基準はさまざまです。

そのほかにも、協調性を見極めるための行動観察もほとんどの学校で行われます。子ども同士の会話や関係の築き方などはじっくり見られていると思ってよいでしょう。そのほか、他人との協調性だけでなく、「ちゃんと挨拶できるか」、「人の話を聞けるか」、「決められたルールを守れるか」、「道具を丁寧に扱うか」などといった点も見られます。さらに、袋に入ったものをきれいに入れ直したり、服をたたんだりといった生活上の機能も観察対象になります。

忘れてはならないのが面接です。面接のない学校もなかにはありますが、ほとんどの小学校受験で面接は必須と思った方がよいでしょう。子どもだけでなく、保護者だけ、もしくは、親子そろってなど、面接のタイプも学校それぞれですので、志望する学校の傾向を把握し、早めに対策を始めることが大切です。

問われる内容は学校ごとにさまざまですが、いずれにせよ一朝一夕で身につけられる能力ではありません。その時だけ子どもにちゃんと挨拶させようとしても、なかなかうまくいかないことは想像できるのではないでしょうか。このように考えると、小学校受験はなるべく早めに準備をスタートさせ、子どもだけでなく親子一丸で臨むべきだということがわかります。

小学校受験に家庭教師は必要?

小学校受験の概要がわかったところで、次に気になるのが家庭教師の必要性です。受験で問われるのは短期間で身につけられるような能力ではありませんから、直前になって家庭教師を付けたところでそれほど意味がないように思えます。それは事実ですが、一方で、家庭教師による学習サポートも役に立つことは確かです。

それに、各ご家庭の事情によっても家庭教師の必要性は変わってきます。親御さんがつきっきりでサポートできるならともかく、ご両親が共働きで勉強を見てあげる余裕がない場合もあるでしょう。幼児教室に通わせるにしても、ご両親に余裕がなければ送り迎えも難しいです。それに、幼児教室の場合、子どもによっては他の子たちとペースが合わないこともあります。

挨拶やお手伝いといったことはご家庭でのしつけの範囲ですが、それ以外の技能に関しては家庭教師は有用な存在です。小学校受験に詳しい家庭教師なら、両親の心構えや必要な準備など、具体的なアドバイスも期待できます。

結論としては、「小学校受験に家庭教師は必要?」という問いに対する答えは、「家庭の状況による」となるでしょう。ただ、雇う余裕があって、適切な家庭教師を選べるならば、家庭教師がいないよりもいた方が何かと心強いとは言えるはずです。

小学校受験の家庭教師の選び方

家庭教師をつけることに決めたとしても、次に考えなければならないのが、「どんな家庭教師を選ぶか?」ということです。家庭教師と名乗る人なら誰でもよいわけではありません。小学校受験はかなり特殊ですから、志望校の受験に詳しい家庭教師を選ばなければならないのは言うまでもないでしょう。それ以外に、家庭教師を選ぶ際の基準となるポイントを以下にお伝えします。

子どもとの相性

どんなに評判の高い優れた家庭教師であっても、必ずしもお子さんと相性が良いとは限りません。それに、小学校受験をする子どもはまだ幼いですから、幼児の指導に長けた人物であることも重要です。後者を絶対条件とすると、学生アルバイトよりもプロ家庭教師の方が安心でしょう。

ただ、プロ家庭教師であっても、実際の相性は会ってみなければわかりません。どうしてもお子さんとの相性が良くない時のことを考えると、別の先生に替えてもらえるように、個人の家庭教師より家庭教師センターなどの会社組織の方が安心です。

オンライン対応

コロナ禍以降、お子さんの健康リスクにはどこのご家庭でも非常に気を使っているはずです。そんなニーズに応えて、最近ではオンラインに対応可能な家庭教師も増えてきました。それに、録画ができる、気を使わなくていいなどのメリットもありますので、なるべくオンラインに対応してもらえる家庭教師から選ぶのがよいのではないでしょうか。

小学校受験対策のサポートに家庭教師

いかがだったでしょうか。小学校受験は中学以降の受験と比べて特殊なため、十分に時間をかけて対策することが必要です。ペーパーテストで測定できる知識や技能だけでなく、ご家庭でのしつけも見られるポイントになります。したがって、「家庭教師さえつければ安心」というわけではありません。しかし、親御さんがご多忙など事情によっては有用な存在です。上記の選び方を参考にしつつ、各ご家庭で家庭教師の必要性を考えてみてください。

小学校受験情報教育ラボでは、小学校受験に関してのさまざまな情報を発信しています。家庭教師のほかに、小学校受験のためのおすすめの塾の紹介などもありますので、受験のための情報を集めている方はご参考にしてください。

 

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