丁寧さが大切!小学校受験の折り紙で注意したいポイント

小学校受験の行動観察では、折り紙の課題が出ることがあります。巧緻性(手先の器用さ)を見るのに折り紙は最適だからです。とはいえ、「うちの子は折り紙が苦手だし…」というご家庭もあるのではないでしょうか。そのような小学校受験を控えているお子さんをお持ちの親御さんのために、小学校受験の折り紙の課題について、その狙いやポイント、指導の仕方などをお伝えしましょう。

小学校受験で折り紙を折らせる理由

冒頭で述べた巧緻性のほか、理解力や協調性をチェックするために行われるのが行動観察です。巧緻性とは手先の器用さですから、折り紙がぴったりなのは理解できるでしょう。

しかし、ただ折り紙を折っているだけでは十分ではありません。学校側が見ているのは、手先の器用さだけでなく、その子どもが何事にも丁寧に取り組めるかがポイントです。

これは折り紙の上手・下手以前の話で、入学後の学校生活を送る姿勢にも関係してきます。折り紙を折っても丁寧さがなく、雑に済ませようとする子どもは、授業中に集中力や落ち着きがないと判断されかねないのです。

受験対策としてお子さんに折り紙を折らせる時は、とにかく丁寧に折ることを心がけてください。たとえば三角に折るだけでも、紙の角と角をきちんと合わせて丁寧に仕上げることが大切です。そうやって練習しているうちに、巧緻性が鍛えられるとともに、子どもの集中力や根気といった精神面も鍛えられていきます。

また、折り紙で親子関係をチェックする狙いもあります。小さな子どもが折り紙を折る時は、最初はお父さんやお母さんに教えてもらいながら一緒に折るでしょう。そうやって親御さんと一緒に何かを作ることは、人の話を聞いたり自分の意志を伝えたりといった集団生活の基本にもつながります。

行動観察・折り紙のポイント

行動観察とは、先にも述べたように巧緻性や理解力、協調性などをチェックするための試験です。

折り紙の場合、巧緻性は折り紙を折るプロセスや仕上がりを見たらすぐわかります。

理解力とは、試験官の指示を聞いてそのとおりにできることです。また、折り紙では、テーマを設けず子どもに自由に折らせることもありますが、そのような時に「なぜこれを折ったんですか?」との問いに対して、上手に説明できるかどうかも見られます。

他の子どもたちと一緒に折る場合、協調性や、気を散らさずに最後まで丁寧に折り続けられる丁寧さや集中力などがポイントになります。

折り紙の訓練の仕方

先に「ただ折るだけではだめ、丁寧に折ることが大切」と述べましたが、最初は子どもの楽しさを優先させましょう。まずは折り紙を好きになってもらうことが大切です。好きなように折らせているだけでも、手や指を複雑に動かすトレーニングになります。それが受験でも大切な巧緻性につながるはずです。

受験が近づくにつれ、丁寧に折ることも重要になってきます。たとえば紙を半分に折るだけでも、紙の端と端、角と角をきちんとそろえて折ることが大切です。もしお子さんの折り方が丁寧とは言えないとしたら、次のような方法で訓練してください。

まずはひたすら折り紙を半分に折ることを繰り返します。もちろん1枚1枚丁寧に、端と端、角と角をそろえて折ることです。苦手な子どもには、紙に線を引いてあげてその線に沿って折れるようにしてあげるとよいでしょう。親御さんが楽しく声をかけてあげて、単調な訓練と感じさせないことが大切です。

こうやって折り紙をきれいに半分に折れるようになったら、次は三角形をきれいに折ることを目指します。鶴を折る際の最初の三角形です。これもきれいにそろえて折れるようになるまで、ひたすら繰り返します。

ここまでできたら、次に、鶴を折る時のように、三角に折ってもう一度三角に折った状態から、そのたたんである部分を広げて四角を作る練習をします。逆に、四角を折ってからもう一度四角に折って、もとの紙の4分の1の大きさにしてから、たたんである部分を広げて三角を作る練習もしましょう。

このたたんで広げて三角と四角を作るのが上手にできるようになれば、どんなものでもきれいに折れるようになります。

試験対策としてクリアすべき点

何度もお伝えしているように、折り紙は丁寧に折ることがとても大切です。端と端、角と角をきちんと合わせ、折った時には折り目がきれいにつくように丁寧に力を入れます。これができるなら、行動観察で大切な巧緻性や集中力というポイントはクリアです。

丁寧に折れるようになるには、子ども自身が丁寧さを意識して折る練習をしなければなりません。いやいや雑に折り続けたところで、丁寧に折れるようにはならないので注意しましょう。そのためには、親御さんが多く褒めてあげることが大切です。苦手な子には、一つ一つの作業に声をかけながら、一緒に折ってあげてください。

また、テーマがなく自由に折るという出題にも対応できるように、何も見ずに折れるものを何個かマスターしておくとよいでしょう。折り紙では子どもの発想力やオリジナリティも問われます。とはいっても、完全なオリジナル作品をいきなり作ることはほとんど不可能でしょう。本に載っているものでよいので、お子さんの好きな折り紙作品を、最終的には5つぐらい見ずに作れるようになるのが理想です。

過去の行動観察で出された折り紙の課題

横浜国立大学教育学部附属横浜小学校では、テーマを与えられ、それに沿って好きなものを折り紙で折りましょうという課題が出されたことがあります。また、千葉大学教育学部附属小学校では、テーマフリーで自由に折ったうえで、何を折ったのか先生にきちんと説明できることが求められました。

東京学芸大学付属小金井小学校やお茶の水女子大学付属小学校では、お花などの決まった型が与えられ、その型通りに折り紙をちぎって貼り付けるという課題が出たことがあります。

小学校受験の行動観察でキーとなる折り紙

いかがだったでしょうか。小学校受験での折り紙では、子どもの巧緻性、理解力、丁寧さ、集中力などをチェックされます。一朝一夕に身につくものではないので、一つ一つ丁寧に折れるように親子で練習しましょう。

小学校受験情報教育ラボでは、小学校受験に関してのさまざまな情報を発信しています。折り紙や塗り絵などの行動観察に関する課題のみならず、過去の受験内容、さらには、小学校受験でのおすすめの塾なども紹介しておりますので併せてチェックされることをおすすめします。

 

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